健全な歯の育成は小児期からすでに始まっています。乳歯・永久歯共に生えたばかりの歯はとても柔らかく非常に虫歯になりやすい状態と言えます。乳歯が健全か、正しく治療されているかは、後の永久歯の歯列だけでなく、大事な成長期の身体の発育にまで大きく影響してきます。早い時期から歯の正しい知識と習慣を身につけ、虫歯のない健康な歯を維持する習慣を身につけましょう。
子供の歯が黒い?穴が空いてる?
お子さんの仕上げ磨きをしていると、歯が黒かったり穴が空いてるように見えたりして心配になることがありませんか。
歯に色がついてるように見えるときは、茶しぶ(ステイン)・歯石の沈着の可能性か、虫歯の可能性が疑われます。茶しぶ(ステイン)・歯石の場合なら歯を削る治療は必要なく、歯のクリーニングを専用の器具を使って行えば、キレイに元の歯の状態に戻すことができます。茶しぶ(ステイン)・歯石をそのまま放置しておくと虫歯になったり、歯肉炎になったりする可能性が高まりますので発見しだい、歯科医院の受診をお勧めします。
歯が黒い・穴が空いてる場合には、虫歯が進行しているか詰め物が取れてしまっている可能性もあります。虫歯が小さければ小さいほどその分、歯を削る量も少なくて済むのでやはり発見しだい、歯科医院の受診をお勧めします。虫歯や歯に穴があいたままにしておきますと、歯磨きが穴の中までは届きにくく、虫歯が進行してしまうことが多いです。なるべく早期発見・早期治療で必要最小限の治療で済ませましょう。
子供の歯並びが気になります。矯正治療はいつから?
歯並びが気になり始めたら早目に相談することが大切です。矯正自体は大人になってからでも可能ですが、子供の時期に矯正をする事で理想的な治療・整形が出来る場合があります。小児期の矯正は歯や顎の負担を軽減でき、治療期間を短縮できるなどのメリットがあります。
子供の虫歯予防
お子さんの乳歯に虫歯がない状態を維持することで、永久歯に生え変わってからも永久歯が虫歯になるリスクが軽減されると言われています。定期的なクリーニング・フッ素・シーラントを行うことで虫歯ゼロの状態を維持していきましょう。当院では治療から予防へと特に力を入れて取り組んでおります。
フッ素
歯の表面に取り込まれることで、歯の質が丈夫になり酸に溶けにくい強い歯がつくられていきます(歯質強化)。また、酸に攻撃された歯の表面にくっつき、虫歯によって溶け出した歯を元に戻そうとする働きがあります(再石灰化の促進)。
虫歯菌は砂糖をエサにして歯垢をつくり、強い酸をだします。フッ素は糖を分解する酵素の働きを邪魔する性質を持っています。これによって虫歯菌の活動は弱まり、お口の中で酸がつくられない良い環境になるのです。
シーラント
虫歯になる前の奥歯の溝をキレイに清掃し、専用の虫歯予防の歯科用プラスチック( = シーラント)をつめる処置をします(予防処置なので歯は削りません)。奥歯の溝は細く・深く、歯ブラシの毛先が届かない場合がほとんどです。この場合、どんなに丁寧に注意深く歯磨きをしても、奥歯の溝の奥は磨き残しができてしまい、虫歯ができる可能性が高いのです。 シーラントで虫歯になりやすい奥歯の溝を埋めることにより、奥歯の溝に虫歯菌や食べかすが入り込みません。また、歯の噛む面を磨きやすくなります。これにより、虫歯が予防できます。
また、シーラントはフッ素を取り込む作用があり、歯を強くするのを助ける働きがあります(シーラントは奥歯の溝の虫歯予防です。歯と歯の間や歯茎の境目など、他の場所は予防できません)。噛み合わせの力の向きによって、または成長して噛む力が強くなるとシーラントが欠けることがあります。しかし、歯を削ってないので欠けても歯が悪くなることは無く、欠けた部分を補修していきます。そのため、シーラントをした後も定期的な健診をお勧めいたします。
保護者の方へ
当院では、お子さんの治療の際は保護者の方に同席してもらい、説明をして同意を得てから治療を開始します。治療は保護者の方のご判断にお任せします。当院では基本的に、治療の雰囲気に慣らしながら、お子さんの様子を見て治療を行い、お子さんが自分でがんばれる範囲内で治療を行います。
しかし歯の痛みが強く出てしまってる状態の時や、乳幼児のお子さんの治療で緊急性が著しく高い場合は保護者の方の強い要望があった場合のみには、保護者の方のご判断により半強制的な治療方法も可能です。この利点は、迅速に治療が進み、短時間で終了することです。ただ、半強制的な治療を行うことでお子さんに歯医者が怖いという概念を植え付けてしまうという悪影響があるため、よくご相談させていただいたうえで行いますのでご相談ください。